
こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
「口を開けるとカクカクと音がなる」「口を大きく開けにくい」など、顎の違和感を経験したことがある人は多いのではないでしょうか。顎関節症は身近な疾患の一つですが、何らかの異常を感じても放置されがちです。
本記事では、顎関節症とはどのような疾患か解説します。顎関節症の原因や放置するリスク、そして治療法についても解説しますので、顎に違和感がある方は、ぜひ参考にしてください。
顎関節症とは

顎関節症とは、顎周辺に痛みが出たり、口を開閉するときに音が鳴ったりする疾患です。顎周辺の異常だけでなく、副症状として全身の健康に影響を及ぼすこともあります。
顎関節症は、日本人の半数近くの人が一度は経験すると言われているほど身近な疾患です。人によっては痛みが慢性化したり、違和感が強く出たりして生活に支障が出る場合もあるので注意が必要です。
顎関節症のタイプ別の症状
顎関節症には、いくつかのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。ここでは、顎関節症のタイプとそれぞれの症状について解説します。
咀嚼筋痛障害
顎の筋肉を使用するときに起こるのが咀嚼筋痛障害です。食事をするときや口を開けるときなど、顎を動かすときに筋肉に痛みが出ます。
顎関節痛障害
顎の関節に痛みが生じるのが顎関節痛障害です。痛みが、耳の横や顎のあたりに広がることもあります。
顎関節円板障害
顎関節の骨と骨の間にあるクッションの役割をもつ関節円板にずれが生じたときに起こるのが顎関節円板障害です。関節円板の位置がずれるため、口を開けるときにカクカクといった音が鳴ることもあります。
変形性顎関節症
顎関節の骨が外傷などによって変形したときに起こるものが変形性顎関節症です。口を開けたときにジャリジャリと音が鳴るのが特徴です。
顎関節症の副症状
顎関節症は副症状もあります。頭痛や肩こり、めまい、手足の痺れのほか、心身の不調などが起こる可能性もあるのです。
顎関節症のときにかかる診療科
顎関節症の症状があって病院を受診しようと思っても、どこの診療科を受診すればよいのかわからないという方もいるかもしれません。顎関節症は口腔内の関節や筋肉などに問題があって起こっているケースが多いため、歯科医院で相談するとよいでしょう。
顎関節症になる原因

顎関節症になる原因には複数あり、生活習慣も関係しています。一つの要因だけでなく、いくつかの要因が重なったときに発症することが多いです。ここでは、顎関節症になる原因について解説します。
噛み合わせのずれ
歯並びや上下の噛み合わせにずれがあると顎に負担がかかります。噛み合わせが悪いことで顎に負担がかかり続けると、顎関節症を引き起こすリスクが高まるのです。治療した歯の被せ物や入れ歯の高さが合っていないと噛み合わせがずれることがあるため注意が必要です。
歯の接触
通常、上の歯と下の歯の間には少しだけ隙間があり、歯と歯が接触することはほとんどありません。
しかし、食事や会話をするとき以外に上の歯と下の歯をピッタリと噛み合わせる方がいます。この習慣をTCHといい、顎関節に継続的に負担がかかるため、顎関節症になるリスクが高まります。
睡眠中の癖
うつ伏せ寝や横向き寝をしていると、顎に負担がかかります。また、睡眠中、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしている方もいるでしょう。歯ぎしりや食いしばりをする癖があると、顎関節に大きな負担がかかります。これによって、顎関節症を引き起こすリスクが高まるのです。
姿勢が悪い
猫背や前屈みの姿勢は、下顎が前に出やすく、顎の位置がずれることがあります。近年はパソコンやスマートフォンを利用する時間が増えており、前屈みで顎を突き出す姿勢が長時間続くと、顎関節に負担がかかって顎関節症を引き起こすリスクが高まるのです。
生活習慣や癖
頬杖をつく癖や爪を噛む癖、片側だけで噛む癖なども顎関節症を引き起こす原因です。これらの癖があると、顎に負担をかけます。
ストレスや緊張
ストレスや強い緊張も顎関節症を引き起こす原因です。ストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因といわれています。上述のとおり、歯ぎしりや食いしばりの癖があると顎に負担がかかります。これによって、顎関節症を引き起こすリスクが高まるのです。
スポーツの競技中なども無意識に歯に力を入れてしまうため、顎関節症の原因になります。
外傷
転倒やスポーツでの衝突、事故などで顎に衝撃を受けたことで顎関節症の症状が現れることもあります。数日ほどで症状が治まるケースもありますが、場合によっては慢性化する可能性もあるため注意が必要です。
顎関節症を放置するリスク

軽度の顎関節症であれば、治療をしなくても改善することがあります。
しかし、慢性的な顎関節症は治療が必要です。症状が現れてから1週間経過しても改善が見られない場合は、歯科医院で相談しましょう。また、口を開きにくかったり痛みがあったりして日常生活に支障が出ている場合には、早めに相談してください。
慢性的な顎関節症を治療せずに放置すると、顎の動きがますます悪くなり、痛みが悪化したり、食事や会話に支障をきたしたりすることもあります。
また、顎関節症を放置すると噛み合わせが悪くなることもあります。これによって顔が歪むこともあり、ほうれい線が深くなったり、顔全体がたるんだりすることもあるのです。
顎のずれや噛み合わせのずれは、頸椎や仙骨のずれにもつながります。体の歪みが生じることで肩こりや頭痛、めまいが生じやすくなるでしょう。顎の痛みや不具合が続くとストレスとなり、不眠や慢性疲労、うつ状態を招くこともあります。
顎関節症を診断する方法

顎関節症の診断は、症状の聞き取りや顎の可動域の確認、画像検査など複数の検査を組み合わせて行われます。
まず、症状が現れはじめた時期、これまでの経過、違和感や痛みの程度を詳しくうかがいます。顎の違和感は初めてか、繰り返す症状なのかは、診断の大切な基準になりますので、必ず伝えましょう。また、歯科医院によっては心理的な問診も行われます。
その後、口がどこまで開くか、口を開けるときに音は鳴るかなどを、顎の関節や周囲の筋肉を触りながら確認します。口を開けるときの筋肉の張り具合なども触診して確認します。
レントゲンを撮影して顎の骨の状態の確認も行います。ほかの病気が原因で顎関節症の症状が現れている可能性もあるため、場合によってはCT検査やMRI検査を行うこともあります。
顎関節症を治療する方法

顎関節症を治療する場合、スプリント療法や理学療法が行われることが多いです。
ただし、顎関節症になる癖や習慣を改善しなければ、再発する可能性があります。そのため、治療と並行して癖や習慣を改善することも大切です。また、再発を防ぐために、症状が落ち着くまでは歯科医院を受診しましょう。
ここでは、顎関節症を治療する方法について解説します。
スプリント療法
スプリント療法とは、スプリントと呼ばれるマウスピース型の装置を装着して顎関節症の症状を改善する治療法です。夜間にスプリントを装着することで歯ぎしりや食いしばりによって顎に加わる負担を軽減させることができます。
理学療法
顎周りの筋肉の凝りを改善するために、手指を使ってマッサージをしたり、専用の機械を使って電気刺激を与えたりします。これによって血流がよくなり、痛みが和らぐ可能性があります。
薬物療法
痛みがある場合には、薬を使用するケースもあります。痛み止めなど歯科医院で処方された薬を服用することで痛みを抑えることが可能です。
まとめ

顎関節症とは、口を開けるときに痛みが現れたり、音が鳴ったりする疾患です。
治療せずに放置する方もいるかもしれませんが、症状が進行すると全身の健康に影響を及ぼすこともあります。そのため、顎に痛みや違和感がある場合は、できるだけ早く歯科医院で検査を受けることが大切なのです。
軽度の場合であれば、簡単な治療で改善が見込める可能性もあるため、顎関節症の症状がある方は歯科医院で相談しましょう。
顎関節症の症状にお悩みの方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。