
こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
子どもの歯磨きは、健康な歯を育てるうえで欠かせない習慣です。
しかし、毎日のように繰り返す必要があるため、保護者の方にとっては大きな負担となることもあります。特に小さな子どもは歯磨きを嫌がったり、途中で動いてしまったりとスムーズに進まないケースも多いでしょう。
乳歯の段階から正しい磨き方を身につけることで、将来的な虫歯や歯並びのトラブルを防ぐことができます。また、子どもにとって楽しく続けられる工夫を取り入れることも重要です。
今回は、子どもに適した歯磨きの方法や、嫌がる理由、楽しく取り組むための工夫などについて解説します。毎日の歯磨きを親子にとって前向きな習慣にできるよう、ぜひ参考にしてください。
子どもに適した歯磨きの方法

お子さんの乳歯は、将来の健康な永久歯のために重要な役割を果たします。
歯磨きは、乳歯が生え始める生後6か月頃から始めるのが理想的です。最初は柔らかいガーゼや歯磨きシートで歯の汚れを優しく拭き取ることからスタートし、1歳頃にはお子さん用の柔らかい歯ブラシに慣れさせていきましょう。
仕上げ磨きをする際は、仰向けに寝かせると口の中がよく見えます。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、前後に小刻みに動かして1本ずつ丁寧に磨くのがポイントです。「前歯を磨くよ」などの声かけをすると、お口が開きやすくなり、磨きやすくなるでしょう。
適切な歯ブラシの選び方
お子さんの歯ブラシは、年齢に応じたサイズのものを選びましょう。
ブラシのヘッド(毛の部分)は大人用の大きいものでは、小さいお子さまのお口の中で適切に動かすことができません。ヘッドが小さめで、柔らかい毛のものを選ぶことで、お子さんの歯や歯茎を優しく効果的に磨くことができます。
また、握りやすく、お子さんの好きな色やキャラクターがデザインされたものを選ぶと、歯磨きへの抵抗感が減り、習慣を促す助けになるでしょう。
歯磨きのタイミングと頻度
食べたら歯磨きをするのが基本ですが、忙しい日常のなかで常に実践するのは難しいものです。最低でも朝と夜の1日2回は丁寧に歯を磨くことを習慣にしましょう。
特に重要なのは就寝前の歯磨きです。眠っている間は唾液の分泌量が減少し、口の中で細菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、寝る前にしっかり磨いておくことで虫歯や口臭のリスクを大幅に減らせます。
また、昼食後に磨ける場合は、軽くブラッシングやうがいを行うだけでも効果的です。外出先などで歯ブラシが使えない場合は、水で口をすすぐ・キシリトールガムを噛むといった工夫も有効です。
仕上げ磨きは小学校低学年頃まで続けるのが理想です。お子さんが自分で磨けるようになっても、磨き残しが多いため、保護者の方によるチェックと補助が欠かせません。
年齢別の歯磨き方法

お子さんの歯磨きは、年齢や発育段階によって異なる指導法が必要です。ここでは、歯磨きの方法を年齢別に解説します。
0〜2歳
この時期は、乳歯が生え始める頃で歯磨き習慣の導入期です。歯ブラシに慣れることが目的なので、まずはガーゼや歯磨きシートで口腔内をやさしく拭くことから始めましょう。歯が数本生えたら、毛先の柔らかい乳児用歯ブラシを使い、保護者の方が仕上げ磨きを行います。
3〜5歳
自我が芽生え、自分でやりたいという気持ちが強くなる時期です。
まずは子ども自身に歯ブラシを持たせて自由に磨かせ、そのあと保護者の方が仕上げ磨きを行いましょう。歯磨きの時間を楽しくする工夫(歯磨きソング、キャラクター歯ブラシ、鏡を使った確認など)を取り入れると、習慣化しやすくなります。
フッ素入り歯磨き粉は、うがいができるようになってから少量使用します。
6〜9歳
永久歯が生え始める時期で、虫歯リスクが高まります。子ども自身が磨く力はついてきますが、まだ磨き残しが多いため、保護者の方による仕上げ磨きは継続しましょう。染め出し液を使って磨き残しを可視化することで、子どもの意識も高まります。
10歳以上
この頃には、歯磨きの技術が安定し、自分でケアできるようになります。
ただし、生活習慣の乱れや思春期の無関心から、歯磨きがおろそかになることもあります。定期的に歯科医院でのチェックを受け、歯磨きの重要性を再確認させることが大切です。デンタルフロスや歯間ブラシの使い方も少しずつ教えていきましょう。
子どもが歯磨きを嫌がる原因

子どもが歯磨きを嫌がるのには、いくつかの理由があります。
まず多いのが、口の中を触られることへの不快感や恐怖心です。特に小さな子どもは、自分の意思とは関係なく口を開けさせられることに抵抗を感じやすく、歯ブラシの感触や味に敏感な場合もあります。
また、歯磨きが痛かった経験があると、それが記憶に残り、次回以降も嫌がるようになることがあります。歯茎に強く当てたり、虫歯や口内炎などがあったりすると、歯磨きそのものが痛みを伴うため、拒否反応が出やすくなります。
さらに、歯磨きの時間が退屈だったり、強制されたりすることへの反発も原因のひとつです。遊びを途中で中断されたり、保護者の方のイライラが伝わったりすると、歯磨きは嫌な時間という印象が強くなります。
加えて、自分でやりたい気持ちと、うまくできないもどかしさが混ざることで、仕上げ磨きを嫌がるケースもあります。自立心が芽生える時期には、自分でやるという気持ちを尊重しながら、上手にサポートすることが大切です。
楽しく歯磨きをするための工夫

お子さんにとって歯磨きは退屈に感じることがありますが、楽しくする工夫を取り入れることで、習慣化が促されます。ここでは、お子さんが楽しく歯磨きをするための工夫について解説します。
ゲーム感覚で楽しく行う
歯磨きをゲームのように楽しめる工夫が効果的です。たとえば、タイマーと一緒に2分間ブラッシングを達成するチャレンジを設定すると、達成感が得られます。
また、好きなキャラクターの歯ブラシを使用し、ストーリーを想像しながら敵(菌)を倒すという役割を演じることで、楽しみながら歯磨きを続けられるでしょう。
ご褒美でモチベーションを高める
歯磨きの習慣をつけるためにご褒美を活用するのも一つの手です。歯磨きを1週間続けられたら、シールを集めて小さな報酬を与えると、お子さんは達成感を得られます。
最初は短期的な目標を設定し、徐々に長期の目標に移行することで、自発的な歯磨き習慣が根付くようにしましょう。
親子で一緒に歯磨きをする
親子で一緒に歯磨きをすることで、お子さんにとって歯磨きは当たり前の習慣と映るようになります。
保護者の方が楽しそうに歯磨きをする姿を見せ、一緒に鏡の前に立って同じリズムでブラッシングすることで、お子さんは歯磨きを当たり前の習慣として受け入れやすくなります。
歯磨きをする際の注意点

歯磨きはお口の環境を維持するために重要ですが、いくつかの注意点も存在します。ここでは歯磨きをする際の注意点について解説します。
歯ブラシによる事故を防ぐために
歯磨き中に歩き回ったり、ふざけていたりすると、歯ブラシが喉に刺さるなどの事故につながる恐れがあります。歯磨きは必ず座った状態で、保護者の方の目の届く場所で行いましょう。
また、仕上げ磨きの際は、子どもが急に動かないよう、落ち着いた雰囲気をつくることが大切です。保護者の声かけや態度も、安全に歯磨きを進めるための重要なポイントです。急かしたり、怒ったりしながら磨くと、子どもが動き、思わぬ事故につながることもあります。
「気持ちいいね」など優しい言葉をかけながら、安心して歯磨きに取り組める環境を整えていきましょう。
歯ブラシの選び方と衛生管理
先述したような安全に使える歯ブラシを選び、適切に管理することも重要です。使用後はしっかり洗って乾燥させ、毛先が広がったら定期的に交換しましょう。
歯磨き粉の量と誤飲への配慮
フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果的ですが、誤って飲み込むと過剰摂取になる可能性があります。
うがいができない年齢の子には、米粒程度の量にとどめるか、フッ素なしのジェルタイプを使うと安心です。歯磨き粉の味が強すぎると嫌がることもあるため、子どもに合ったものを選びましょう。
専門家に相談できる機会を活用しよう

お子さんの健康的な歯磨き習慣を確立するためには、歯科の専門家からのアドバイスを積極的に活用することがとても有益です。
歯科医師や歯科衛生士は、お子さんのお口の発達や歯の状態に応じた適切なケア方法を教えてくれる頼れる存在です。定期検診では、歯磨きの仕方や磨き残しのチェック、虫歯の早期発見などを通じて、家庭でのケアをより効果的にするための指導が受けられます。
また、年齢やお口の状態に合った歯ブラシや歯磨き粉の選び方についても、個別に相談することができます。
また、地域の保健センターや歯科医院では、親子向けの歯磨き指導セミナーが開催されることがあります。こうしたセミナーでは、専門家による実演を見ながら、楽しく歯磨きのコツを学ぶことができます。
お子さんと一緒に参加することで、歯磨きへの関心が高まり、家庭でも前向きに取り組めるようになります。また、同じ悩みを持つ保護者同士の交流を通じて、役立つ情報や体験談を共有できるのも大きなメリットです。
まとめ

お子さんが歯磨きを嫌がる理由は、痛みや不快感、興味のなさなどさまざまです。まずは、柔らかい歯ブラシやフッ素入りの子ども用歯磨き粉を使い、年齢に合った方法でケアしましょう。
歯磨き時間が楽しくなるような工夫も取り入れつつ、安全面では喉をついたり誤飲したりしないよう、保護者の方が見守りながら行うことが大切です。
成長に応じた磨き方を継続し、疑問点がある場合は歯科医師などの専門家に相談することで、正しい歯磨き習慣を身につけることができます。
お子さんのお口の健康を守りたいとお考えの方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。