
こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
「子どもの歯並びが気になるけど、矯正治療は何歳からできるの?」「早すぎると逆効果にならないか?」といった疑問を抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。歯並びの乱れは、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、将来の歯の健康にも大きく影響するため、適切な時期に対応することが重要です。
この記事では、小児矯正の適切な開始時期や、矯正を検討すべき代表的な歯並びの問題、治療を行うメリットについて詳しく解説します。
小児矯正は何歳から受けられる?

小児矯正は、3歳から受けられる場合があります。お子さまの歯並びや噛み合わせの状態によっては、早期の矯正治療が必要になることもあるでしょう。
通常は6歳頃から開始することが一般的です。この時期は、乳歯から永久歯へ生え変わる重要な時期であり、顎の成長も活発なため、矯正治療の効果が得られやすいタイミングだからです。
さらに、永久歯が生え揃う12歳頃までに治療を行うことで、将来的に歯並びが悪くなるのを防げます。実際には、お子さまの歯並びや顎の成長状況により適切な治療開始時期は異なりますので、歯科医師と相談しながら治療開始時期を決定することが重要です。
1期治療と2期治療
小児矯正は、一般的に1期治療と2期治療に分けられます。1期治療では、主に永久歯が生え揃う前の乳歯と混合歯列期のお子さまを対象に、顎の成長を利用しながら、歯並びを悪くしている原因を改善します。顎の骨格に関わる問題もこの段階で改善できれば、2期治療での外科手術を回避できる可能性もあります。
2期治療では、永久歯が生え揃った後に行う治療です。歯の位置や角度を正し、美しい歯並びと噛み合わせを目指します。1期治療後の歯並びの状態に不満がなければ、必要なくなるケースもあります。
小児矯正を受けるメリット

大人になってからでも矯正治療は受けられるので「わざわざ子どものうちに受けなくてもいいのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、小児矯正ならではのメリットも存在します。ここでは、小児矯正を受けるメリットをご紹介します。
成長を活かした治療が可能
子どもの顎はまだ成長途中にあるため、骨の柔軟性を活かして効率的に矯正治療が行えます。特に、成長期に行う1期治療では、顎の発育を誘導し、歯をきれいに並べるための土台を整えることが可能です。
これにより、永久歯が正しい位置に生え揃うスペースを確保できるため、将来的に本格的な矯正が不要になる可能性も高まります。早期に治療を行うことで、顎と歯のバランスの良い状態が維持され、長期的に安定した歯並びを目指せるのです。
重度の不正咬合を予防できる
重度の不正咬合は、見た目だけでなく会話や食事にも大きく影響します。上下の顎の骨の位置関係に問題がある症例などでは、歯がうまく噛み合わず、食事内容が制限されたり、正しく発音できなくなったりするのです。
早期に矯正を行うことで、重度の不正咬合に発展するリスクを軽減し、将来的により複雑な治療を回避できます。
治療がスムーズに進みやすい
お子さまの骨は成長段階にあり柔軟なため、矯正治療に対する反応が良好なケースが多いです。特に、骨格のバランスに問題がある場合でも、成長期に適切な治療を行えば顎の発育を正常化できる可能性もあるでしょう。
心理的・社会的な影響を軽減
歯並びの乱れは、見た目の印象に大きく影響します。子どもが自己肯定感を持つ上で、歯並びの乱れが悪影響を及ぼすこともあるでしょう。早期に矯正治療を行って見た目が整えば、自己肯定感の向上や社会的な不安の軽減につながるかもしれません。
健康的な生活習慣を確立できる
矯正治療によって噛み合わせが改善されると、食事の際の咀嚼がスムーズになります。子どもにとって食事は成長のために欠かせないものです。
噛み合わせの問題を改善することで、食べ物をしっかりと噛めるようになり消化吸収の効率が向上するのです。また、噛み合わせが改善されることで発音もクリアになり、言語の発達にも良い影響を与えるでしょう。
矯正を検討してほしい子どもの歯並び

保護者の方が「この歯並びは矯正が必要なの?」と悩むケースは少なくありません。子どもの歯並びは成長とともに変化するため、治療を必要としないケースもあります。
しかし、中には早期に介入すべき状態もあります。ここでは、矯正を検討してほしい子どもの歯並びや状態について解説します。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯は、上の前歯が前方に突き出している状態です。上顎が大きく前に出ていたり、下顎が小さかったりすることで起こるケースと、上の前歯が前方に向かって斜めに生えているなど、歯の生え方が原因で起こるケースがあります。
出っ歯が重度の場合、口を閉じにくくなり口呼吸を引き起こす可能性があります。ほかにも、前歯で食べ物を噛み切れなかったり、転倒した際に前歯を折ったりするリスクもあります。
反対咬合(受け口)
反対咬合は、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。いわゆる受け口と呼ばれる状態で、下あごが大きく前に出ていたり、上あごの成長が不十分だったりすることで起こります。出っ歯と同様に、歯の生え方に問題があるケースも存在します。
乱ぐい歯(叢生)
乱ぐい歯は、叢生(そうせい)とも呼ばれ、歯が重なり合って生えている状態です。顎のサイズに対して歯が大きすぎると、歯が並ぶスペースが足りず、歯が内側に傾いたり重なったりすることがあります。
見た目に影響するだけでなく、歯磨きをしにくくなるため虫歯や歯周病になるリスクが高まります。歯並びが悪いことで、発音しにくくなることもあります。
開咬
開咬は、奥歯は噛み合っていても、前歯が上下で噛み合わない状態です。幼少期の指しゃぶりや舌を前に押し出す癖など、口周りの悪い習慣が原因で起こることが多いです。口周りの筋肉の使い方が原因になることもあります。
前歯が噛み合わないため、食べ物をうまく噛み切ることができません。柔らかい食べ物を好むようになるなど、食生活に影響を与える恐れがあります。
交叉咬合
交叉咬合は、通常とは上下の歯が逆に噛み合っている状態です。本来下の歯を上の歯が覆うように噛み合いますが、下の歯が上の歯の外側に位置する歯並びです。
上下の歯がうまく噛み合わないことで食べ物が噛みにくくなり、消化不良を起こすリスクがあります。
子どもの矯正治療で使用する主な装置

矯正治療では、成長段階に応じたさまざまな装置を使用します。ここでは、子どもの矯正治療で一般的に用いられる主な装置についてまとめました。
急速拡大装置
急速拡大装置は、上顎の幅を広げるために使用する装置です。固定式なので患者さま自身が取り外すことはできません。
装置の内側にネジがついており、ネジを回すことで上顎の幅を広げます。
床矯正
床矯正は、取り外しが可能な装置で、顎の幅を広げるために使用されます。この装置を使用することで、顎の幅を広げて歯がきれいに並ぶスペースを確保するのです。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、奥歯に金属のバンドをかけて歯の裏側に固定する装置です。歯にかけたワイヤーの力を利用して、歯の位置を調整していきます。
ヘッドギア
ヘッドギアは、主に上顎の成長をコントロールするために使用される装置です。上顎の成長を抑制して、出っ歯の症状を改善します。
装置は頭に固定するため、自宅での装着を指示されることが一般的です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正装置は、ブラケットと呼ばれる小さな装置を歯に接着し、ワイヤーを通して歯を移動させる矯正装置です。固定式なので取り外しの手間がなく、患者さま自身が装置を操作する必要がありません。
永久歯が生えそろってからの2期治療で選択されることが多い矯正方法です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正装置は、透明のマウスピースを歯に装着し、わずかな力で歯を移動させる装置です。装置自体が透明なので、目立ちにくいです。また、取り外しが可能なため、普段どおりに食事や歯磨きができます。
ワイヤー矯正と同様、2期治療として実施されることが多いです。
子どもの矯正治療の費用

小児矯正の費用は、治療の種類や設備のある歯科医院によって異なります。
- 第1期治療:30万円〜60万円
- 第2期治療:10万円〜100万円
上記が目安と言えるでしょう。治療期間や歯並びの状態の複雑さに応じて価格が変動しますので、事前に歯科医師に確認しておきましょう。
まとめ

小児矯正は、子どもの成長発育を利用しながら歯並びや噛み合わせを整える治療です。乳歯と永久歯が混在する時期に顎の発育を促進し、永久歯が正しい位置に生え揃う環境を整えることで、将来的に本格的な矯正が不要になる可能性もあります。
矯正を検討してほしい子どもの歯並びには叢生、出っ歯、反対咬合などがあり、早期に治療を開始することで重度の不正咬合を予防できるなど、将来的なリスクを軽減できます。
お子さまの矯正治療を検討されている方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。