こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
入れ歯は、歯を失った際の機能回復や審美性の向上に欠かせない医療機器です。自由診療の入れ歯は高額になりやすく「なぜここまで値段に差があるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、入れ歯の種類とその値段の違い、さらには選択する際に考慮すべきポイントまでわかりやすく解説します。
保険と自費の入れ歯の違い
入れ歯を選ぶ際は、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いを理解することが大切です。以下に、両者の特徴を詳しく解説します。それぞれの違いを理解したうえで、自身に合った入れ歯を選択しましょう。
保険の入れ歯
保険の入れ歯は、健康保険制度に基づいて作られるため、費用を抑えて入れ歯治療を受けることができます。
しかし、使用できる材料や設計に制限がある点がデメリットです。主にレジン(樹脂)を使用した構造で、シリコンなどの特殊な素材を使うことはできません。
自費の入れ歯
一方で、自費の入れ歯は、材料や製法、設計などに自由度が高く、最新技術や高品質な素材を採用することができます。例えば、金属床義歯では、薄くて軽い金属を使って作製することで、見た目にも違和感の少ない義歯を実現できます。
また、シリコン義歯では、やわらかいシリコンを床の部分に使用することで、歯茎への負担を大幅に軽減することが可能です。
さらに、自費で作る入れ歯には、医師の技術や経験、患者さま一人ひとりの口腔内に合わせて精密に設計・調整するという大きなメリットもあります。これにより、装着時の違和感や噛んだときの痛みが少なく、快適な装着感を実現できます。
入れ歯の種類とそれぞれの値段
入れ歯には保険診療で作製する入れ歯と自費診療で作製する入れ歯があります。ここでは、入れ歯の種類とそれぞれの値段について解説します。
保険診療で作製する入れ歯
保険で作製する入れ歯は、基本的な治療内容が決められており、治療に使用できる材料や作製方法に制限があります。
主に使用される材料は、硬質レジンと呼ばれるプラスチック素材です。この素材は経済的で取り扱いが簡単ですが、審美性や耐久性の面では自費診療の入れ歯より劣ることがあります。
一方で、レジンの特徴として軽量で、強度を保つためにはある程度の厚みが必要になります。食べ物の温度が伝わりにくく、食事の楽しみが減ったと感じる方もいるでしょう。
入れ歯の金額は、部分入れ歯で約5,000円〜1万5,000円、総入れ歯では2万円程度が目安です。
自費診療の入れ歯
自費診療で作る入れ歯は、使用できる材料や技術に制限がなく、見た目や装着感、耐久性を高めるための多彩な選択肢が用意されています。これらの入れ歯は保険診療のものに比べて費用が高額になりますが、その分だけ品質や快適性が大きく向上します。
自費診療の代表的な入れ歯の種類と、それぞれの特徴・値段について詳しく見ていきましょう。
金属床義歯
床(しょう)と呼ばれる入れ歯の本体部分に金属を使用したタイプで、保険診療のレジン床義歯よりも薄くて丈夫な構造が特徴です。金属の熱伝導性により食べ物や飲み物の温度を感じやすく、装着時の違和感も少ないとされています。
費用は、40万円〜65万円程度が一般的でしょう。
ノンクラスプデンチャー
クラスプ(金属のバネ)を使用せず、弾力性のある素材で作製された部分入れ歯です。軽くて柔軟性があるため、装着時の違和感が少なく、見た目が自然なのが特徴です。
ただし、経年劣化しやすく、耐久性や修理の難易度が高いという側面もあります。費用は10万円〜50万円程度で、歯科医院によって大きな差があります。
シリコン義歯
シリコン義歯は、入れ歯の裏面に医療用シリコンを装着したもので、噛み合わせる部分のクッション性が非常に高いのが特徴です。従来の入れ歯では外れやすい、痛みが出やすいといった悩みを抱えている方に選ばれています。
シリコンが歯ぐきに優しくフィットするため、顎の動きによるずれも抑えられ、装着感が格段に向上します。また、義歯のずれによって食べ物を噛み切れない、話しにくいといったトラブルも起こりにくくなります。
費用の目安はシリコンの種類や使用範囲によって異なりますが、40万円程度からになります。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨に埋め込んだインプラントを土台にして作製する入れ歯です。インプラントの固定力があるため食事を取りやすく、天然歯に近い使用感が得られるのがメリットです。
費用の相場は、60万円〜100万円程度でしょう。外科手術が伴うため、体調や持病を考慮して慎重な判断が求められます。
入れ歯を選択する際のポイント
入れ歯には多くの種類があり、それぞれ特徴や費用が異なります。そのため、入れ歯を選択する際は、どのようなことを重視するかを明確にすることが大切です。入れ歯を選択する際のポイントを以下にまとめました。
機能性
会話や食事に支障が出ないかは、入れ歯を選ぶ際に重要なポイントです。特に、会話がしづらい、食事の際に食べ物が挟まるなどのトラブルは、保険診療の部分入れ歯で起こりやすいとされています。
食べ物が挟まりにくいか、発音に支障がないかなどは、歯科医師に確認しましょう。
見た目
入れ歯は、患者さま一人ひとりの生活習慣やライフステージに合わせて製作します。そのため、見た目を自然にしたいなどのご要望もあるでしょう。
保険が適用される入れ歯の場合、人工歯はプラスチックでできているため黄ばんでくすんで見えることがあります。また、自分で調整することでバネが変形し、目立ちやすくなるケースも少なくありません。
自由診療の入れ歯では、人工歯を親知らずのような形にすることや、部分入れ歯の場合は歯茎の色に合ったものを選択することで自然な見た目を得られます。ノンクラスプデンチャーの場合は、バネが金属でできていないため自然な見た目の入れ歯です。
費用
費用は、入れ歯を選択する際にまず確認すべきポイントと言えるでしょう。
入れ歯の費用は、使用する材料や作製技術によって大きく異なります。保険適用内で作製できる入れ歯もありますが、自費診療の入れ歯は高額になる傾向があります。
装着感
保険治療のレジン床義歯の場合、プラスチック素材の厚みを軽減できないため、装着感が悪いと感じる場合があります。
自費治療のものであれば床の厚みを抑えることができるため、保険治療のレジン床義歯よりも装着感が良いでしょう。ノンクラスプデンチャーの場合、クラスプを使用していないため、審美性と装着感どちらにも配慮できます。
入れ歯の寿命と長く使うためのポイント
どのような入れ歯でも、一生涯使用できるわけではありません。ここでは、入れ歯の寿命と、長く使うためのポイントについて解説します。
入れ歯の寿命
入れ歯の寿命は3〜5年程度が目安です。高齢者の場合、骨や歯茎が痩せやすく、入れ歯の合わなくなることも多いため、寿命が短くなるケースもみられます。
患者さまの口内環境も変化していくので、入れ歯は一生涯使用できるわけではないということを理解しておく必要があるでしょう。
入れ歯を長く使うためのポイント
入れ歯を長く使うためのポイントは、以下の通りです。
入れ歯の清掃を習慣化する
清掃、消毒、保管、そして装着チェックを毎日のルーチンとして習慣化しましょう。例えば、朝食後に装着状態を確認し、夜は清掃と消毒をセットで行うなど、決まった流れを作ってみてください。
口腔ケアを徹底する
入れ歯の耐用年数を延ばすためには、日々の口腔ケアが非常に重要です。特に、入れ歯を取り外して洗浄するときには、柔らかい歯ブラシなどを使用し、やさしく汚れを落としましょう。
また、入れ歯を毎日外して、歯茎のマッサージやブラッシングを行うことで、口腔内の健康を維持できます。
入れ歯の清掃を怠らない
寝る前には必ず入れ歯を外して水で洗浄しましょう。専用のブラシを使って、汚れや食べかすを丁寧に取り除いてください。
洗浄剤も入れ歯専用のものを使用し、毎日交換して清潔を保ちましょう。これによって、細菌の繁殖を防げます。
しっかりと保管する
入れ歯は、専用ケースに入れて保管することが基本です。乾燥すると入れ歯の素材が劣化するため、ケースに水を入れて保管しましょう。また、落としたり、誤って捨てたりしないように保管場所にも配慮する必要があります。
不衛生な場所に保管したり、高温になる場所に放置したりすると、カビや細菌が繁殖し、入れ歯の変色や変形の原因になります。
定期的に調整を受ける
入れ歯は、歯茎の形状に合わせて作られるものです。
しかし、加齢や歯周病などによって歯茎の形は徐々に変化します。入れ歯と歯茎の間にすき間ができると、患者さまのお口に不自然な力が加わります。これによって、入れ歯に負荷がかかり、寿命が短くなる可能性があるでしょう。
定期的に入れ歯を調整することで、患者さまの口元の見た目や会話に支障をきたすリスクを抑えられます。
まとめ
入れ歯には、さまざまな種類があります。保険診療で作成する入れ歯の場合、プラスチックを床に使用するため、装着感や審美性などの面で劣ります。
それに対して、金属の床を使用した義歯の場合、薄くて軽量な作りで装着感も安定しており、熱が伝わりやすいという特徴があります。また、シリコン義歯の場合、クッション性に優れており、噛んだときの痛みを軽減できるでしょう。
患者さまの状態や希望にあわせて、入れ歯を選択しましょう。
入れ歯治療を検討されている方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。