こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
虫歯は誰にとっても身近な口腔トラブルのひとつですが、そのまま放置すると深刻な状態に進行する可能性があります。特に重度の虫歯となると、歯の内部にある神経や歯根にまで影響が及び、激しい痛みや腫れを引き起こすばかりか、最悪の場合には歯を失うこともあります。
初期段階では自覚症状が乏しい虫歯も、気づいたときには手遅れというケースは少なくありません。虫歯が重度の状態にまで進行するのを防ぐには、正しい知識を持ち、適切な予防と早期対応を心がけることが重要です。
本記事では、虫歯の進行段階や重度の虫歯の治療法、予防のポイントについて詳しく解説していきます。
重度の虫歯とはどのような状態?
虫歯は進行の程度によってその状態が変化します。ここでは重度の虫歯になるまでの過程を段階的に見ていきましょう。
エナメル質の虫歯
虫歯の最も初期の段階は、歯の表面にあるエナメル質に限局している状態です。エナメル質は人体のなかでも最も硬い組織ですが、酸に弱く、プラーク内の細菌が出す酸によって徐々に溶かされていきます。
この段階ではまだ痛みなどの自覚症状がほとんどなく、歯に白い濁りが見られることが特徴です。歯科検診で早期に発見されれば、削らずにフッ素塗布などの処置で進行を抑えることが可能です。
しかし、この段階で放置すると、次第に内部へと進行していきます。
象牙質の虫歯
エナメル質の虫歯が進行すると、次に象牙質という内部の層に到達します。象牙質はエナメル質より柔らかく、虫歯の進行が早いのが特徴です。
この段階になると、冷たいものや甘いものを口にしたときにしみるといった症状が現れます。虫歯の穴も目視で確認しやすくなり、歯の表面に黒い部分が現れることもあります。
象牙質にまで進行した虫歯は、自然治癒することはなく、早めに歯科医院で治療を受ける必要があります。治療法としては、虫歯の部分を削り、レジンなどの詰め物で修復する方法が一般的です。
神経にまで達した虫歯
さらに進行すると、虫歯は歯髄と呼ばれる歯の神経にまで到達します。歯髄には血管や神経が集まっており、ここまで虫歯が進行すると激しい痛みや腫れが発生します。夜眠れないほどの痛みや、何もしていなくてもズキズキするような自発痛が典型的な症状です。
歯髄が感染すると歯髄炎を引き起こし、場合によっては神経が壊死して痛みが一時的におさまることもありますが、それは虫歯が治ったわけではありません。この段階では、根管治療(歯の神経を取り除く治療)が必要になります。
歯根にまで達した虫歯
虫歯が歯根やその周囲の骨にまで及ぶと、重度の虫歯といえる状態になります。
この状態では、歯根の先に膿が溜まり、歯茎の腫れや顔の腫れ、発熱などの全身症状を引き起こすこともあります。また、歯を支えている骨が破壊されることで、歯の動揺や噛み合わせの不具合も生じやすくなります。
ここまで進行すると、根管治療では改善が見込めない場合も多く、最終的に抜歯が必要になるケースが少なくありません。重度の虫歯になると、口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期発見と治療が極めて重要です。
重度の虫歯の治療法
重度の虫歯は、進行度や歯の保存の可否によって治療法が大きく異なります。以下に代表的な治療法をご紹介します。
根管治療
神経まで達した虫歯に対して行われる代表的な治療法が根管治療(こんかんちりょう)です。これは、虫歯によって感染した歯髄を除去し、歯の内部を洗浄・消毒したうえで薬剤を充填し、最終的に被せ物で歯の機能を回復させる治療です。
根管治療は非常に繊細な作業が求められ、治療には数回の通院が必要になります。治療後の管理が不十分だと再発のリスクもあるため、歯科医師の指示に従ってケアを継続することが重要です。
抜歯と補綴治療
根管治療でも歯を保存できない場合、最終的には抜歯が選択されます。
抜歯後は、歯の機能や見た目を回復させるために補綴治療(ほてつちりょう)が必要となります。補綴治療には、ブリッジ、入れ歯、インプラントなど複数の選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、患者さんの口腔状態や希望に合わせた方法を選ぶことが大切です。
抜歯は口腔内のバランスを大きく崩す可能性があるため、可能であれば歯を保存する方向で治療を進めるのが望ましいとされています。
重度の虫歯になる前にできる予防法
重度の虫歯に進行すると、治療は複雑かつ長期化します。そうならないために、日頃からの予防が何よりも大切です。ここでは、重度の虫歯になる前にできる予防法について解説します。
毎日しっかり歯磨きをする
虫歯予防の基本は、やはり正しい歯磨きです。歯垢は虫歯の原因菌の温床となります。そのため、1日2回以上、丁寧に歯を磨いて、歯垢を除去することが重要です。特に就寝中は唾液の分泌量が少なくなり、細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前の歯磨きは念入りに行いましょう。
また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも併用することで、歯と歯の間の汚れも効果的に除去できます。
食生活を見直す
糖分の多い食品や飲料は虫歯菌のエサとなり、虫歯を進行させる大きな要因です。
間食の頻度を減らす、甘いものを摂ったあとは必ず歯を磨くなど、日々の食生活の工夫が虫歯予防に直結します。特に、ダラダラと時間をかけて食べ続けるだらだら食べは、口内の酸性状態が長く続き、虫歯のリスクを高めるため注意が必要です。
栄養バランスの取れた食事も、歯や歯茎の健康を保つために欠かせません。
フッ素を活用する
フッ素には歯の再石灰化を促進する効果があり、初期の虫歯であれば進行を抑えることができます。市販の歯磨き粉の多くにフッ素が含まれていますが、濃度が高いものや、歯科医院でのフッ素塗布を利用することで、さらに効果を高めることができます。
特に子どもだけでなく、大人にとってもフッ素は虫歯予防に有効です。日々のセルフケアにフッ素を取り入れることは、手軽で効果的な予防法といえるでしょう。
唾液の分泌を促す
唾液には、口内の酸を中和したり、細菌の活動を抑えたりする重要な役割があります。唾液の分泌量が少ないと虫歯になりやすいため、意識的に唾液の分泌を促すことも予防につながります。
よく噛んで食事をする、キシリトールガムを噛む、水分をこまめに摂るといった方法が効果的です。また、ストレスや薬の副作用で唾液が減少することもあるため、口の乾燥を感じたら早めに対処しましょう。
定期的に歯科検診を受ける
どれだけ丁寧にセルフケアをしていても、すべての虫歯を防ぐことはできません。そのため、定期的に歯科医院で検診を受けることが重要です。
定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見につながります。また、歯石の除去やフッ素塗布などを受けることで、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
一般的には3か月から半年に1回の頻度で検診を受けることが推奨されていますが、虫歯のリスクが高い人などは、より短い間隔で検診を受けることが推奨されるケースもあります。
まとめ
虫歯が重度に進行すると、単なる歯のトラブルにとどまらず、日常生活や健康全体に大きな影響を及ぼします。初期のうちに発見し、適切な治療を行うことで、歯を守ることができますが、進行すると根管治療や抜歯といった大掛かりな治療が必要になるケースがあるのです。
だからこそ、毎日のケアや生活習慣の見直し、定期的な歯科検診など、予防に力を入れることが大切です。
虫歯の症状にお悩みの方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。
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