こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
大人になってから歯列矯正を検討する方が増えています。見た目の改善はもちろん、噛み合わせや発音の改善、さらには虫歯や歯周病のリスク軽減といった健康面でのメリットも注目されている理由です。
しかし、多くの方が気になるのが治療にかかる期間ではないでしょうか。矯正は見た目の変化を期待できる一方で、長期間の治療になるケースも少なくありません。
この記事では、大人の歯列矯正の期間について解説します。基本的な治療の流れや治療をスムーズに進めるためのポイントについても解説しますので、歯列矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
大人の歯列矯正の期間
矯正治療にかかる期間は、選択する治療方法によって異なります。
ワイヤー矯正の治療期間
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置をつけ、そこに通したワイヤーに力をかけながら歯を動かす方法です。長年の実績があり、細かな歯の移動や難症例にも対応できるため、今でも多くの大人に選ばれています。ワイヤー矯正には表側矯正と裏側矯正があります。
表側矯正は、歯の表面に装置をつける最も一般的な方法で、治療期間はおおよそ1年から3年程度とされています。装置の見た目を気にする方もいますが、効率的に歯を動かすことができ、費用も抑えやすいのが特徴です。
一方、裏側矯正は歯の裏側(舌側)に装置をつけるため、外からはほとんど見えないのが大きな魅力です。
ただし、裏側矯正は高度な技術が必要になる治療です。また、舌に装置が触れることで最初は違和感を覚えやすいでしょう。治療期間は1年半から3年程度と、表側矯正よりやや長くなるケースが多いです。
マウスピース矯正の治療期間
マウスピース矯正は、透明で取り外し可能な装置を使って歯を少しずつ動かす治療法です。目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるというメリットから、多くの方に選ばれています。
マウスピース矯正の治療期間は、軽度の歯並びであれば6か月〜1年程度と短く済むケースもあります。
一方で、中程度〜重度の歯列不正や噛み合わせの改善が必要な場合は、1年半から3年程度かかることが一般的です。
マウスピース矯正中は、装置を1日20〜22時間装着する必要があり、装着時間が不足すると予定通りに歯を動かせなくなります。そのため、自己管理が非常に重要なのです。装着時間を守り、定期的にチェックを受けることで、計画的に治療を進めることができます。
歯列矯正の期間を左右する主な要因
矯正治療にかかる期間は、選んだ治療法だけでなく、個人の口腔内の状態や生活習慣によっても大きく変わります。
歯並びや噛み合わせの状態
歯並びの乱れが軽度であれば、短期間で治療が完了する可能性があります。例えば前歯のちょっとしたすき間やねじれであれば、半年から1年程度で終了することもあります。
一方で、叢生(そうせい)や受け口、出っ歯など、噛み合わせまで調整が必要な場合は、2〜3年ほどかかることもあります。また、あごの骨の位置に大きなズレがある場合には、外科的な処置を併用するケースもあり、その分治療期間も長くなる傾向があります。
年齢による歯の動き
年齢も歯の動きやすさに影響する要素のひとつです。一般的に、成長期にある子どもや10代の若者は、顎の骨が柔らかく歯が動きやすいため、スムーズに治療が進むケースが多いです。
それに対して、大人は骨の成長がすでに完了しているため、歯の移動がややゆっくりになる傾向があります。特に30代後半以降になると、骨の代謝も落ちてくるため、歯を動かすのに時間がかかるでしょう。
ただし、年齢が高いからといって矯正ができないわけではありません。年齢よりも重要なのは、口腔内の健康状態と、患者さんの治療に対する意識です。
ご自身の治療に対する意識と協力度
矯正治療は、歯科医師の技術だけでなく、患者さん自身の協力によって大きく結果が左右されます。特にマウスピース矯正では、装置の装着時間を守らなければ予定通りに歯が動かず、治療期間が長くなる可能性があります。
ワイヤー矯正の場合も、装置が外れたまま放置したり、通院を怠ったりすると、計画どおりに治療を進めることができなくなります。また、日々の口腔ケアを怠って虫歯や歯周病が進行すると、矯正装置を一時的に外さざるを得なくなるケースもあるでしょう。
計画どおりに治療を進めるためには、歯科医師の指示に従うことと、自分自身が治療にしっかり向き合うことが重要なのです。
歯列矯正の基本的な流れ
ここでは、歯列矯正の基本的な流れをご紹介します。
初診相談
矯正治療は、まず歯科医院での初診相談から始まります。ここでは、現在の歯並びや噛み合わせの状態を簡単に確認します。患者さんの悩みや希望、ライフスタイルもここで共有します。初診相談は、矯正治療の第一歩であり、自分に合った治療を見極める重要な機会となります。
精密検査
初診後に治療を希望する場合、次は精密検査を受けます。検査内容には、レントゲン撮影、口腔内写真の撮影、歯型採取、噛み合わせのチェックなどが含まれます。これにより、歯や顎の骨の状態を詳細に把握し、正確な診断を行うことができます。
大人の矯正では、見た目だけでなく機能面も重視されるため、この検査は非常に重要です。検査結果をもとに、今後の治療方針や必要な期間、費用などが決まります。
治療計画の説明と治療開始
歯科医師から治療計画の詳細な説明を受けます。使用する装置の種類、治療の進め方、見込まれる期間や費用、リスクなどが丁寧に説明されます。
治療計画に同意すれば、いよいよ矯正装置を装着し、治療がスタートします。最初の装着時には多少の違和感や痛みが生じることもありますが、数日で慣れていく方がほとんどです。この段階から歯が少しずつ動き始め、矯正治療が本格化していきます。
定期的な通院
矯正治療中は、定期的に通院する必要があります。通院頻度はおおよそ4〜6週間に1回が一般的で、計画どおりに歯が動いているか、トラブルは起こっていないかなどをチェックします。ワイヤー矯正の場合はワイヤーの調整も行います。
この定期的なチェックを怠ると、歯の動きに支障をきたし、治療期間が延びる可能性があります。仕事や家庭の都合で忙しくても、計画どおりに通院を続けることが大切です。
矯正終了後の保定期間
矯正治療後には保定期間が設けられています。矯正で動かした歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、それを防ぐためにリテーナー(保定装置)を使用します。
保定期間は矯正治療にかかった期間と同程度とされており、特に大人の場合は歯の安定に時間がかかるため、しっかりと保定を行うことが重要です。矯正が終わったからといって気を抜かず、最後まで丁寧にケアを続けましょう。
矯正治療をスムーズに進めるためには
治療をできるだけスムーズに進め、予定通りに完了させるためには、日々の心がけや習慣がとても重要です。ここでは、矯正期間を延ばさないために意識すべき3つのポイントをご紹介します。
定期的な通院を怠らない
矯正治療中は、装置の調整や歯の動きの確認のために、定期的な通院が必要になります。歯科医師の指示どおりに通院しないと予定通りに歯を動かすことができず、治療期間が長引く恐れがあります。
仕事や家庭の事情で忙しくても、歯科医師に指示されたタイミングで通院することが大切です。万が一キャンセルした場合も、できるだけ早く予約を取り直すようにしましょう。
装置の自己管理を徹底する
マウスピース矯正の場合、装置を自分で着脱できる反面、装着時間や取り扱いの自己管理が求められます。治療に使用するマウスピースは1日20〜22時間装着する必要があり、これを守らなければ予定通りに歯が動かず、治療が遅れる要因となります。
また、マウスピースの紛失や破損も大きな問題です。マウスピースを取り外したら必ず専用のケースに入れて保管しましょう。
ワイヤー矯正でも、ブラケットが外れたりワイヤーが曲がったりすると、歯の動きに影響が出ます。異常を感じたらすぐに歯科医院で相談することが大切です。
口腔ケアを徹底する
矯正装置を装着していると、歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。マウスピース矯正の場合も、マウスピース自体の清掃を怠ると、細菌が繁殖して口臭や炎症の原因になります。
治療中に虫歯ができると、装置を一時的に外して治療を行う必要があり、その間は矯正を進めることができません。
こうした事態を防ぐためには、毎日の口腔ケアを徹底することが非常に重要です。歯ブラシに加えて歯間ブラシやデンタルフロスを使い、装置の周囲や歯と歯の間まで丁寧に清掃しましょう。
また、定期的にプロによるクリーニングを受けることで、日々のケアでは落としきれない汚れを取り除くことができ、健康な口腔環境を保つことができます。
まとめ
大人の歯列矯正は、見た目の改善だけでなく、口腔機能の向上にもつながる重要な治療です。治療にかかる期間は1年〜3年程度が一般的ですが、歯並びの状態や選ぶ矯正方法、生活習慣によっても大きく変わります。
治療をスムーズに進めるためには、歯科医師の指示どおりに通院することや装置の自己管理を徹底すること、丁寧に口腔ケアを行うことが欠かせません。治療期間は長く感じるかもしれませんが、正しい知識と準備があれば、納得のいく結果を得ることができます。
矯正治療を検討されている方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。