こんにちは。長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」です。
子どもの歯並びや噛み合わせは、成長のなかで自然に整うこともありますが、なかには矯正治療が必要なケースも存在します。特に、上下の歯の噛み合わせが逆になる受け口(反対咬合)は、見た目や発音への影響だけでなく、顎の発育や全身のバランスにも関係することがあります。
子どものうちに矯正を行うことで、大人になってからの治療よりも負担を軽減できることがありますが「いつ始めるべきか」「どのような治療が行われるのか」といった疑問を持つ保護者の方も多いでしょう。
今回は、小児矯正が必要とされる受け口の症状や放置するリスク、治療方法について解説します。小児矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
受け口とは
受け口とは、上下の歯を噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことを指します。正式には反対咬合、下顎前突とも呼ばれます。
通常は、上の前歯が下の前歯を2〜3mmほど覆う形で噛み合っています。受け口では、この位置関係が逆転しているのです。
受け口には、歯の傾きが原因となっているものと、顎の骨格に原因があるものがあります。前者は上の前歯が内側に、下の前歯が外側に傾いているケースで、後者は下顎が前方に出ている、または上顎の成長が不十分なケースです。どちらに原因があるかによって、治療の進め方も変わってきます。
子どもが受け口になる原因
受け口になる原因は、大きく分けて遺伝的な要因と後天的な要因の2つがあります。
遺伝的な要因
受け口は、遺伝による骨格の特徴が関係していることがあります。歯並びそのものが遺伝するわけではありませんが、顎の骨の大きさや歯の大きさのほか、上顎が小さい、下顎が前に出やすいといった骨格的な特徴が受け継がれた結果、受け口になることがあるのです。
そのため、家族や親族のなかに受け口の方がいる場合、子どもも同じような傾向が見られることがあります。
後天的な要因
後天的な要因は、子どもの生活習慣や癖によって引き起こされる受け口の原因です。例えば、指しゃぶりや舌で歯を押す舌癖、頬杖、うつ伏せ寝、口呼吸といった癖が、顎の発育や歯の位置に影響を与えることがあります。
口周りの悪習癖が長期間続くと、成長中の顎に偏った力がかかり、歯列が乱れたり、上顎の発育が不十分になったりすることがあるのです。このほか、咀嚼が偏る癖があると、顎のバランスが崩れ、受け口になることもあります。
子どもの受け口を放置するリスク
受け口の状態をそのままにしておくと、見た目だけでなく健康や生活面にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。以下にそのリスクを解説します。
発音に影響が出ることがある
受け口の状態が続くと、発音が不明瞭になることがあります。特に、サ行やタ行など、舌の位置が重要となる音では、空気の流れや舌の動きが妨げられ、正しく発音できなくなることが多いです。
子どもの時期は言語能力が発達する大切な時期であり、発音の問題は早めに矯正しておくことが望ましいとされています。
噛み合わせのバランスが悪くなる
受け口の状態では、上下の歯の噛み合わせがずれているため、食べ物をしっかり噛み砕くことができず、栄養吸収にも影響を及ぼす可能性があります。特に前歯でうまく噛めないことで、食事の際に無理な力が歯や顎にかかり、歯のすり減りや顎関節への負担が増すこともあります。
さらに、噛み合わせが安定しない状態が続くと、上下の歯の接触が不均一になり、一部の歯にだけ力が集中することがあります。無意識のうちに噛み癖が偏ることで、顎の筋肉や関節が緊張し、顎関節症や肩こり、頭痛といった全身症状にもつながることがあるのです。
見た目のコンプレックスになる
受け口は横顔のシルエットや口元のバランスに影響を与え、成長とともに見た目の違和感が強調されるようになります。子ども自身が他人の視線を気にし始める年齢になると、口元のコンプレックスが原因で自信が持てなくなったり、人前で話すことに抵抗を感じたりすることもあるでしょう。
子どもの受け口を矯正する方法
子どもの受け口は、顎の成長を利用できる時期かどうかで治療の進め方が変わります。ここでは、1期治療と2期治療に分けて、治療方法を解説します。
1期治療
1期治療とは、乳歯と永久歯が混在している6〜12歳頃に行う矯正治療です。子どもの成長を利用して、顎のバランスや歯並びの土台を整えることを目的としています。受け口の場合は、原因に応じて、上顎の成長を促す装置や、下顎の成長を抑える装置が使われます。
1期治療で顎のバランスが整うと、将来的に本格的な矯正治療が不要になったり、矯正の期間や治療内容を軽減できたりする場合があります。具体的には、以下のような治療法があります。
プレオルソ
プレオルソは、やわらかいポリウレタン素材でできたマウスピース型の矯正装置です。口周りの筋肉を鍛えて永久歯が正しい位置に並ぶように促します。受け口のお子さまには、舌の位置を整え、下顎を前に出す癖を改善する目的で用いられます。
装着するのは日中1時間以上と就寝時のみのため、学校生活への影響はほとんどありません。対象となるのは3歳から10歳頃です。骨格のずれが大きい場合は適応とならないため、歯科医院で診断を受けましょう。
上顎前方牽引装置(フェイシャルマスク)
上顎前方牽引装置は、フェイシャルマスクとも呼ばれます。額と顎にパッドを当てて固定源とし、そこから口の中の装置へゴムをかけて、上顎を前方へ引き出す仕組みです。上顎の成長が不十分なことで起こる受け口に用いられます。
装着するのは就寝中が中心で、1日10時間程度が目安とされています。見た目は大がかりですが、自宅にいる時間に限られるため、続けやすい面もあるでしょう。
チンキャップ
チンキャップは、下顎の成長を抑えるための装置です。頭部にかけたバンドから顎先のカップへゴムを引き、下顎が前方へ伸びるのを抑制します。上顎の成長は11歳頃までに終わる一方、下顎の成長はその後も続きます。
そのため、上顎前方牽引装置を使う時期を過ぎたお子さまには、チンキャップが選ばれることがあります。装着するのは就寝中が中心です。下顎の成長は思春期以降も続くため、長期にわたって使用するケースもあります。
2期治療
2期治療は、永久歯が生えそろったあとに行う矯正治療です。1期治療で整えた土台の上で、歯を1本ずつ動かしながら歯並びと噛み合わせを仕上げていきます。
開始の目安は12歳頃からです。骨格のずれが大きく残っている場合は、成長が止まるのを待って外科手術を併用することもあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かします。1本ずつ細かく位置を調整できるため、上下の噛み合わせを大きく変える必要があるケースにも対応できる方法です。
装置は固定式のため、自分で取り外せません。食べ物が挟まりやすく歯磨きにも手間がかかるのはデメリットといえます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明な装置を交換しながら歯を動かす方法です。装着していても気づかれにくいため、見た目を気にするお子さまも抵抗感を覚えにくいでしょう。食事や歯磨きのときは外せるため、口の中を清潔に保ちやすい点も特徴です。
ただし、1日20時間以上の装着が前提となるため、お子さま自身が治療の必要性を理解し、装着時間を管理する必要があります。骨格のずれが大きい受け口や、歯を大きく動かす必要があるケースでは、適応とならないこともあります。
まとめ
子どもの受け口は、遺伝による骨格の特徴だけでなく、舌の癖や口呼吸といった後天的な要因でも起こります。そのままにしておくと、発音が不明瞭になったり、噛み合わせのバランスが崩れたりすることがあるのです。見た目を気にして、人前で話すことに消極的になるお子さまもいるでしょう。
治療は、顎の成長を利用する1期治療と、永久歯が生えそろってから歯を動かす2期治療に分かれます。1期治療では、プレオルソや上顎前方牽引装置など、原因や年齢に応じた装置が選ばれます。
受け口の治療には、成長期にしか行えないものもあります。お子さまの歯並びが気になる場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
お子さまの受け口についてお悩みの方は、長野県松本市島内「JR島内駅」より徒歩5分にある歯医者「おおた歯科・矯正歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みの少ない丁寧な治療を意識して診療にあたっています。一般歯科だけでなく、矯正治療や小児歯科、予防歯科にも力を入れています。